宮内庁は9月9日、昭和天皇の生涯を記録した「昭和天皇実録」の全文を公表した。(2014年)
約24年かけて完成した「実録」は、全61冊、約1万2千ページに及び、確実な資料に基づいて原則口語体で年代順に記している。終戦の前年まで約8年侍従長を務めた百武三郎氏の日記など、新たに見つかった資料も含まれている。公開にあたっては戦争での重要局面での昭和天皇の発言や戦争責任の認識についての記述に注目が集まった。
太平洋戦争をめぐっては開戦方針が事実上決まった御前会議の前日に、昭和天皇が戦争準備よりも外交による解決を優先すべきだとして、閣議決定の修正を求めていたことや、戦争を終結するポツダム宣言の受諾をめぐる会議が1945年8月10日午前0時を過ぎていたことなど経緯を詳しく記載。
また激戦地となった沖縄に後半生、思いを寄せていたこともつづられている。ただ実録について、大方の専門家は「通説を大きく覆す記述はない」としている。
一方で戦後、昭和天皇が戦時中のことなどを振り返って側近がまとめたとされる「拝聴録」については、作成過程を記しているものの、拝聴録そのものの所在は判明しておらず、宮内庁は「不明」としている。
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